弁護士ブログ

2018.12.14更新

 離婚の調停、訴訟についてお伝えする中で、財産分与については、これまで何度も取り上げてきましたが、財産分与の対象になる夫婦の共有財産には、預貯金や自宅不動産といった、夫婦が自身の財産としてはっきり意識しているものだけに限りません。
 例えば、掛け捨てでない保険に入っている場合、婚姻期間中に保険料を支払った分に相当する、解約返戻金も財産分与の対象とすることができます。
 財産分与の基準時での解約返戻金の金額を分与対象とするからといって、必ずしも解約する必要はありません。ただ、その保険を継続してかけ続けることにしたとしても、基準時の解約返戻金相当額を分与対象にすることになれば、それを加味して、財産分与額が計算されるのです。
他にも、まだ受け取っていない退職金を財産分与の対象とすることもあります。
定年退職まで数年以上ある夫婦の場合には、社内規定で退職金の金額が概算できたとしても、景気や自己都合により退職金がもらえるとは限らないので、退職金を財産分与の対象とするのは難しいですが、定年退職が迫っている年齢の方で、退職金の計算方法が社内規定に明記されている会社にお勤めの場合、退職金のうち婚姻期間に相当する勤務年数分を財産分与の対象として加味し、財産分与額を決めることもあります。
また、財産分与ではありませんが、年金分割という制度もあります。
これは、離婚時にもらえるものではありませんが、年金受給時に受け取ることのできる財産分与とも言えるもので、婚姻期間中に支払った厚生年金、共済年金を夫婦それぞれの年金に振り分けたとして、年金の受給額に反映されるものです。国民年金にはない制度ですし、他にも要件を満たす必要はありますが、老後の生活への不安を軽減してくれる制度です。
分割の割合は、夫婦間の協議で決めることができますが、財産分与と同じく、夫婦で折半するという考えから、分割割合を0,5とすることが一般的です。
また、夫婦間での合意がなくても、平成20年4月1日以降に厚生年金・共済年金に加入していた配偶者の扶養に入っていた方が申請できる、3号分割という制度もあります。
ただし、年金分割の請求は、離婚後2年以内に申請しないといけませんので、注意が必要です。

投稿者: 中谷法律事務所

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